相双地域(1737km2)の人口推計(2015:国立社会保障•人口問題研究所)は18.6万人で、年少人口(0〜14歳)推計は23500人余です。震災後に漸減傾向とはいえ、年間1500人程の子どもが生まれています。
特筆すべきは、年少人口割合(0〜14歳)が13.6%と、全国平均の14.6%と比べて引けを取らないことです(2010)。また合計特殊出生率は1.59で全国平均•福島県平均を上回っています。(資料:福島県相双保健福祉事務所)
しかし、震災前に8ヶ所あった分娩取り扱い施設は3ヶ所に減りました。南相馬市の1病院と南相馬市•相馬市に各1つの開業医です。それぞれ1人ずつ、この地域に3人しかいない産科医達は日々休むこともなく黙々と働いています。数少ない小児科医も同様です。
現在の配置は、
•南相馬市立病院:小児科1人、産科1人
•公立相馬病院:小児科4人(NICU設備)、産科0人
「産科と小児科が一緒になれば周産期センターができるのに」と思うのは当然ですが、震災前に浮かんだプランは様々な理由から頓挫し、震災後は新たな計画が浮かぶこともありませんでした。
「相双ふくしま子供病院」が「相双地域に子供病院を!」と訴えているのには意味があります。相双地域のどこでも良いから、子供たちの未来を守る子供たちの楽園をつくる。2つある総合病院のどちらとリンクしても良い。実現すれば長年の願いであった周産期センターができるのです。オトナの事情のために子供たちの未来が守れないのは悲しいことです。
一番悲しいのは日々黙々と働いている現場の人々だと思います。何人もの仲間が「過去に計画が頓挫したのは悲しかった」と、ツラそうに語る。でも現場は忙しすぎて新たなプランを立てる余裕もない。
そんな彼らに必ずこのプランは理解してもらえると思います。