ごあいさつ
一般財団法人 相双未来基金は、東日本大震災・津波・原発事故の多重被害を受けた福島県相双地域が、子供の未来を守りつつ、地域が誇りを持って復興するのを支えるために設立されました。
福島県には5つの周産期センター(※1)がありますが、相双地域だけありません。公立の周産期センター計画は震災前に頓挫し、震災後3年半たった今でも(※2)計画すらされていません。
その上、この地域では震災後に半数以上の産科医・小児科医が様々な理由で診療をやめており、残った少数の医療人たちが、骨身を削って日々の診療を支えています。県内全体の医師数も全国対人口の比率で半数ほどしかおらず、他の地域から医師をまわす余裕もありません。
毎日のように子供が生まれているのに、産科医・小児科医が圧倒的に足りないのです。
この状況を打破するには、全国・全世界からの英知と人材を結集するしかない。
既に福島県では給料の引き上げなどによる人材の募集を試みていましたが、この3年半全く人が集まりませんでした。そのため、医療者が集まり働きたくなるような理想的な、魅力のある病院を作る事が最良の策であると考えたのです。
理想的な病院として、
・子ども病院と成人総合病院(産科)をリンクさせて周産期センターにすること。
・「病気の時だけ」子供を支えるのでなく,「病気であっても,そうでない時も」子供の成長を見守り支えることのできる病院にすること。
を目標としています。
このような従来の「病院」の枠を超えた施設をつくることで、子供の成長・人づくり・街づくり、そして地域の誇りの再生・発展に寄与するため、財団を設立いたしました。
皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
代表・河村 真
平成26 (2014) 年10月
(※1) 周産期センターとは、周産期(出産の前後の時期)を対象に一環して母子に高度な医療を提供する医療施設。産科と新生児科が組み合わされた施設。
(※2) 2014年10月現在